彼女さえも箱の中にいる

「私の宝物は三つ。ピアノ。あのひと。そしてあなたよ草子」
必ず戻るといって消えたパパを追ってママとあたしは引越しを繰り返す。
「私はあのひとのいない場所にはなじむわけにはいかないの」
「神様のボートに乗ってしまったから」
　

えくにかおりさん「神様のボート」

先輩に貸して頂いた本。前から気になってはいたんだけど。
登場人物は葉子、その恋人だった「あのひと」、その間の娘の草子。
元々だんなさんもちだった葉子さんが一世一代の恋をして、生まれた草子ちゃんを連れて次から次に住まいを転々とするはなし。ついでに「あのひと」も嫁さんいました。
「あのひと」は登場人物ではありますが葉子さんや葉子さんから話を聞いた草子ちゃんの回想内でしか出てきません。明らかに美化されてます。骨まで解けるような恋をしたと彼女は言う。だんなさんも両親も置いて。
視点がくるくる変わります。葉子と草子の親子の間で。平坦とした文章なんだけど葉子さんのなかに明らかに狂気がまじっている。それに娘が気が付いてるのがまた。あと葉子さんの元旦那さんが桃井先生って言うんですが桃井先生についての話も凄く出てくる。偶にどちら視点だか分からなくなります。
作者さんでさえも「しずかだけど狂気の物語、私の中でいちばん危険な話」と仰る話。これくりゆに当てはめたら…怖すぎた。じぐゆでもこえーよ。

　
近頃忙しいですワアア
せいとかいやらなんやら言うものに所属しているので
新入生のオリエンテーション用の冊子を450部印刷・裁断重ねてぱちぱち。
お仕事なさってる皆様に比べればそんなもん！といわれるのでしょうが…
がんばれおれ。
望んで入った所だしね。