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季節外れとは言わないで 判ってる。
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自分の持っている中で一番粗末なコートを羽織る。
他には何もいるまい。何もいらぬ。この身以外は。彼女がいるならば。

「ちちうえ、どこへ行かれるのですか」

真夜中の玄関で私を引き止めたのは、4歳のこどもの声だった。
私はそちらにちらりと目をやる。目蓋を半分落としたこども。気配を聡く勘付いたのだろうか?

「ちちうえ」

考えたのは一瞬だった。答えをやらずに屋敷を出た。

~色々省略~

「クリムゾンさま…本当によろしいのですか」
ユージェニーは外套の下で呟いた。私は傍らの彼女を安心させるように…もう何も恐れるものはないのだと教えるように、彼女の肩を抱く。
「いいとも、ユージェニー」

「ユージェニー、共に逃げよう」




…みたいな場面がすんごく唐突に浮かんだんだ。ひらいけんさんのエレジー脳内でリピートしてたらね。うん。栗ユ駆け落ち。なんかこれアッシュたんいるよごめん。なんでだ。あとほんとは最後の場面はいやんな展開になる予定だったけど素でうわっ!気持ち悪っ!ってなったのでやめました。合掌。
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「杉原千畝物語」杉原幸子さん・弘樹さん

簡単あらすじ:ご存知杉原千畝さんについて、奥さんが書かれた伝記。奥さんと千畝さんの出会いから始まり、第二次世界大戦中にリトアニア領事となり独占領下のポーランドから迫害を恐れて逃れてきたユダヤ人たちに、本国に逆らって日本までの「命のビザ」を発行し続けたが、リトアニアがソ連支配下に入って退去を命じられリトアニアを経ち、ベルリン・ケーニヒスベルク・ルーマニアなどに引き続き外交官として移りつつ終戦を迎え、ソ連の手で日本に帰還する。晩年千畝さんはイスラエル政府から日本人初の賞を授与された。

この本探してたんだよ…!有名な千畝さんの話ですね。
普通の伝記ものとちょっと違って、奥さん目線かつ子供向けらしく読みやすい感じ。奥さんとの初対面のエピソードがいい。初見で千畝って読めるってすげえなあ。
奥さんから見た千畝さんだから、人間らしく肉感ある人物像が見られてよかった。当然のことだけど千畝さんにも葛藤があったということ。子供さんと奥さんを養うためには、国に逆らって職を失ってはならない。でも目の前には助けを求める人たちがいる。それを放っておけなかったのが千畝さんだった。
巻末に息子さんの弘樹さんが書いてるんだけど、こういう人物こそ「英雄(ヒーロー)」なんだろうな。英雄というものを無言のうちに示した人。こういう人物がこれからも必要なんだ。
それとこれを読んで知ったことだけど、今のイスラエルの重要人物にここで助けられたひとがいるんだよ…びっくりだよ。

もう一冊。

「日本人が知らない!ユダヤの秘密」佐藤唯行

特に意識してなかったがユダヤ関連二連続。
何項目かに分けて、結構知られてるけど勘違いされてることから全然知られてないユダヤあれこれを書いています。
一番知らなかったのはミズラヒが力をもってきてるってことかな…アシュケナジとかセファルディとか違いがあるのは知ってたが。ミズラヒってのはアフリカあたり出身のユダヤ人で、ホロコーストを知らないこの一群の人たちにパレスティナ強硬派が多いってのを見て妙に納得した…ホロコースト知ってりゃ「アラブ人をガス室で殺せ」なんて言えんわな。イスラエルとアラブの対立についてのドキュメンタリー見たときに壁にこんな言葉が書いてたのを見たときにはこの人ら正気かと思ったものだ…うんうん俺自重。ちょっと遅いなこれ。
あと超正統派の男性おま働いて下さい!とおもた。そうそう超正統派・正統派・保守派・改革派の違いも全然知らなかったわ…
あとユダヤの方はなんでこんな才能の突出した人が多いんだろう?アレこの人もユダヤ系?この人も?みたいな人がドドンと載ってた。ディズレーリさんとかな…世界史でやったなあこの方…
そうそうイスラエルには男性はもちろん女性にも兵役義務があるんだって!これは驚いた。世界唯一だとかなんとか。
そうそうこれは本じゃなくてニュースで見たんだけど、イスラエルには警察に「ローラースケート部隊」があるそうな…追跡に便利!狭いところも行ける!中国とかフランスにもあるよ!らしいけど同じ制度をとったイギリスでは犯人が階段とかローラースケートで行けないとこに逃げ込むようになって廃止したらしい。

あと日記に書き忘れてましたが、卒業しました(アルェエエエエエエ!?

は明らかに俺である。うそだよ。最近はしてないよ。

時計買ってもらっちゃった!



をエンドレスリピートしながら感想ってほんとごめんなさい。

「男たちの大和」辺見じゅんさん。
簡単あらすじ:亡くなった義理の父の遺言に従い、戦艦大和沈没の地に散骨しに行く娘さん。彼女を知って船を出してくれた神尾という漁師は、元大和の船員だった。戦時中、大人の軍人たちに混じり少年たちは大和に乗り込む。世界一の戦艦!大和ホテル!少年たちは海軍の厳しい上下関係にあえぎつつ、訓練をつむ。戦闘に参加する中で、戦争の意味を考え迫り来る死に怯える。そして大和沈没の日。無謀な作戦。圧倒的な国力。倒れ行く船員。お父さんと神尾さんはその中で生き残った。ふたりはそれぞれに考えた。それなら、と。それなら生きてやる。卑怯者だとしても生き抜いてやると父は考えた。その娘を知って悟る神尾さん。語り継ぐことが、自分の使命なんだ。

ほんよみ一連の中でやっと動的な作品。頁が進むのが早かった。
色々考えてしまう作品ですよねやっぱ…心が痛いよー。いや本当に。
「俺たちは日本の夜明けのために死んでいくんだ。未来のために死んでいくんだ。本望じゃないか」
というような台詞があって、それが本当に胸にきた。未来の私たちのために。ああ。本当に。
それぞれの人生模様が流れるように描かれていて、とても印象ぶかい。
戦争は人を数字にするという言葉を見たことがある。戦死者何名と数字で語られる方たちには当然ながら家族があって故郷があって友があって、人生がある。当たり前だ。そんなことを改めて実感した。
感情的なところを抜くと、全体的に説明がわかりやすく巻末に解説もあって読みやすかったです。思わずずいかくぅう!とかむさしー!とか言った俺は某深夜隊ファン。サーセン。

さっそく第二段。

「人間失格」太宰さん。
簡単あらすじ:恥の多い人生を送ってきた葉蔵さんの話。幼い頃から自分が周囲から望まれることを理解していて、かつ他人に否定されることに極度の恐怖を抱く葉ちゃん。彼は生きがたい世を道化として生きること、人を欺き通して生きることを決める。その道化の仮面は案外世間に受け入れられる。持ち前のイケメンもあって大層人好きされる性質に。野獣派とかの鮮烈な絵に感銘を受け自分を絵で表すことを始めるが、繊細すぎる彼が世間の中で生きるのは難しかった。酒に溺れニヒリズムに溺れ、一時精神病院に入れられる。人生のどんづまり。病院を出てからの彼は、二十代だというのに四十にも見える老人になっていた。

暗いんだってば(わかった(担任の先生に「もっと明るい小説を読みなさい」と言われました
走れ!メロス!!を太宰さん作品一回目として読んだ俺としては同じ人が書いたとは思えんでした。
読み終わった当初はそうは思えなかったんだけど
ちょっと時間を置いてから、ああ葉ちゃんはすんごくすんごく繊細な人だったんだなとおもた。
おなかすいたと思わないってのは人生の半分くらい損してるっつか、生きてる実感がないことの現われなのかも。
彼なりに世間に向き合おうとはしていた。ずっと。きっとね。
これの途中で太宰さん自殺したというんだから、リアルタイムで読んでた人は衝撃だったろうなあ。
メロスと比較して思うことだけど、きっと巻末の解説の通り太宰さんはメロスがパフォーマーとして人を楽しませるため書いたとするなら、この人間失格は自分自身と向き合って、自分の為に書いたんかなあと。前者はそれこそ葉ちゃんの普段の態度のように、後者は葉ちゃんの幼少の自画像や手記そのもののように。
ヨシちゃんのうにゃうにゃといい、精神病院といい、麻薬中毒といい、太宰さんそのものではある。諦念そのもののようなこの文章は、太宰さんが自分と世間と向き合って、誇り高く書き上げたものなのかにゃあ。にゃあん。

ついきでもう一冊。

「ポトスライムの舟」津村記久子
簡単あらすじ
ポトスライムの舟:一度他の会社で挫折してから今は休む間を埋めるように働く女性・ナガセ。彼女は職場に張ってあった世界一周のポスターに目を引かれる。自分の1年分の給料と引き換えに世界一周ができる。ふっとそれも悪くないと考え始める。そんな中、旦那に愛想をつかせた大学時代の友人が娘と一緒に自宅に転がり込んできた。彼女らとの生活、仕事詰めの生活の中での病気、食べられないポトス。仕事に打ち込みつつ、ちょっと休んでもいいよねと思えるまでの軌跡。
十二月の窓辺:上司にいびられるツガワさんの話。もう仕事やめたい。そんな話を同僚のナガトさんとお話しつつ、上司の「あんたなんかじゃ此処以外でもやっていけない」という言葉が胸をしめつける。最終選考まで残った会社が自分の会社の近くに見える。あそこじゃあ私もちょっと違ってたかな、でもその会社を覗き見る中でどこも変わらんなあと思う。ふとしたきっかけでその会社にお邪魔したとき、会話の中で自然と会社をやめると言っていた。これから自由にやっていける。ここだけじゃないよ私の居場所。みたいな。

ちょっと前に芥川賞を受賞して有名になってたアレですね。ともかく表紙カバーのポトスが好き。図書室で借りてからそのポトスの間にようわからん男子がカヌーに乗ってるのに気付いた。誰や。
短編二本立てです。表題のあれと、十二月の窓辺っていう話。
働く女性が書いたんだろうなあって想像できる作品。世相に合ってるといえば合ってるんだろうな。女性の視点からあーもう生きてたくないな…って思うくらいの精神状態を見せつつ、救いのある。結局通り魔はナガトさんだったんだろうなあ…ナガトさんもこれからはまたちょっと目線を変えていけるだろうか。
どちらかと言うと前者のが好きかな。雨が降る場面が多くあるんだけど、しとしと降ってそうだなとかザーザー降ってそうだなとか想像するのが楽しい。私も雨は結構好きだ。雨が地面にあたる音とか。
仕事ってのは時間をお金と引き換えにするものだってのが新しい見方だった。ブローデンマイホライズン。自分の地平線を広げるって言い方よくないですか。第五の地平線(わかったわかった
どっちも読後感は結構気持ちよかった。すーっと空が晴れていくかんじ。かんかん照りではなくて。やわらかい。
あとV係長は怖すぎる。

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