[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
さっそく第二段。
「人間失格」太宰さん。
簡単あらすじ:恥の多い人生を送ってきた葉蔵さんの話。幼い頃から自分が周囲から望まれることを理解していて、かつ他人に否定されることに極度の恐怖を抱く葉ちゃん。彼は生きがたい世を道化として生きること、人を欺き通して生きることを決める。その道化の仮面は案外世間に受け入れられる。持ち前のイケメンもあって大層人好きされる性質に。野獣派とかの鮮烈な絵に感銘を受け自分を絵で表すことを始めるが、繊細すぎる彼が世間の中で生きるのは難しかった。酒に溺れニヒリズムに溺れ、一時精神病院に入れられる。人生のどんづまり。病院を出てからの彼は、二十代だというのに四十にも見える老人になっていた。
暗いんだってば(わかった(担任の先生に「もっと明るい小説を読みなさい」と言われました
走れ!メロス!!を太宰さん作品一回目として読んだ俺としては同じ人が書いたとは思えんでした。
読み終わった当初はそうは思えなかったんだけど
ちょっと時間を置いてから、ああ葉ちゃんはすんごくすんごく繊細な人だったんだなとおもた。
おなかすいたと思わないってのは人生の半分くらい損してるっつか、生きてる実感がないことの現われなのかも。
彼なりに世間に向き合おうとはしていた。ずっと。きっとね。
これの途中で太宰さん自殺したというんだから、リアルタイムで読んでた人は衝撃だったろうなあ。
メロスと比較して思うことだけど、きっと巻末の解説の通り太宰さんはメロスがパフォーマーとして人を楽しませるため書いたとするなら、この人間失格は自分自身と向き合って、自分の為に書いたんかなあと。前者はそれこそ葉ちゃんの普段の態度のように、後者は葉ちゃんの幼少の自画像や手記そのもののように。
ヨシちゃんのうにゃうにゃといい、精神病院といい、麻薬中毒といい、太宰さんそのものではある。諦念そのもののようなこの文章は、太宰さんが自分と世間と向き合って、誇り高く書き上げたものなのかにゃあ。にゃあん。
ついきでもう一冊。
「ポトスライムの舟」津村記久子
簡単あらすじ
ポトスライムの舟:一度他の会社で挫折してから今は休む間を埋めるように働く女性・ナガセ。彼女は職場に張ってあった世界一周のポスターに目を引かれる。自分の1年分の給料と引き換えに世界一周ができる。ふっとそれも悪くないと考え始める。そんな中、旦那に愛想をつかせた大学時代の友人が娘と一緒に自宅に転がり込んできた。彼女らとの生活、仕事詰めの生活の中での病気、食べられないポトス。仕事に打ち込みつつ、ちょっと休んでもいいよねと思えるまでの軌跡。
十二月の窓辺:上司にいびられるツガワさんの話。もう仕事やめたい。そんな話を同僚のナガトさんとお話しつつ、上司の「あんたなんかじゃ此処以外でもやっていけない」という言葉が胸をしめつける。最終選考まで残った会社が自分の会社の近くに見える。あそこじゃあ私もちょっと違ってたかな、でもその会社を覗き見る中でどこも変わらんなあと思う。ふとしたきっかけでその会社にお邪魔したとき、会話の中で自然と会社をやめると言っていた。これから自由にやっていける。ここだけじゃないよ私の居場所。みたいな。
ちょっと前に芥川賞を受賞して有名になってたアレですね。ともかく表紙カバーのポトスが好き。図書室で借りてからそのポトスの間にようわからん男子がカヌーに乗ってるのに気付いた。誰や。
短編二本立てです。表題のあれと、十二月の窓辺っていう話。
働く女性が書いたんだろうなあって想像できる作品。世相に合ってるといえば合ってるんだろうな。女性の視点からあーもう生きてたくないな…って思うくらいの精神状態を見せつつ、救いのある。結局通り魔はナガトさんだったんだろうなあ…ナガトさんもこれからはまたちょっと目線を変えていけるだろうか。
どちらかと言うと前者のが好きかな。雨が降る場面が多くあるんだけど、しとしと降ってそうだなとかザーザー降ってそうだなとか想像するのが楽しい。私も雨は結構好きだ。雨が地面にあたる音とか。
仕事ってのは時間をお金と引き換えにするものだってのが新しい見方だった。ブローデンマイホライズン。自分の地平線を広げるって言い方よくないですか。第五の地平線(わかったわかった
どっちも読後感は結構気持ちよかった。すーっと空が晴れていくかんじ。かんかん照りではなくて。やわらかい。
あとV係長は怖すぎる。
10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |